ヘマチン

髪の主成分であるタンパク質は、そのほとんどが「ケラチンタンパク質」で占められています。
綺麗な髪を維持するためには、タンパク質同士の結合を壊さない事が重要です。
ただ、パーマやカラーリングはもちろん、紫外線を浴びる事でさえ髪を痛めてしまいます。
髪を痛めてしまうという事は、タンパク質同士の結合を壊してしまうという事です。
ダメージを受けた髪を修復するために必要となってくるのが「タンパク質同士を結合させる」という事なのです。
しかし、いくらタンパク質成分を髪に付けたとしても、結合させる事ができなければ意味がありません。
そこで必要になるのが「ヘマチン」なのです。

ヘマチンは、血液の主成分である「ヘモグロビン」を「ヘマチン」と「グロビン」という成分に分離して抽出した有機鉄錯化合物というもので、ヘマチンには、タンパク質と強く結合しようとする性質があるため、髪に塗ると髪の主成分であるタンパク質「ケラチン」と結合させてくれるのです。

アルカリ成分の除去作用

パーマや縮毛矯正、ヘアカラーやブリーチなど、様々な化学薬品を使用する事で、髪に残留した過酸化水素やアルカリ残留成分を除去する効果があります。
アルカリ成分を除去する事で、ダメージの進行を抑制する事ができ、健康な髪の状態に修復・維持し、パーマやカラーのスタイル維持にもつながります。

抗酸化作用

体内で発生する活性酸素は、老化・がん・シワ・しみなど成人病や生活習慣病の原因となります。
これは髪も同じです。
髪の老化(細くなる・白髪・薄毛・パサつきなど)の原因は、主に活性酸素が原因です。
活性酸素を無毒化するのが「抗酸化作用」で、その働きは加齢によって低下していきます。そのため処理しきれなかった活性酸素が溜まり、より毒性の強いものへと変わっていきます。
髪を健康な状態に維持するためには、活性酸素を抑制する必要があり、ヘマチンには活性酸素を抑制する「抗酸化作用」が認められています。

タンパク質結合によるダメージ補修

髪は主に三層構造になっており、体で例えると、骨・筋肉・皮膚と同じような構造になっています。
髪の場合は、メデュラ(骨)・コルテックス(筋肉)・キューティクル(皮膚)という三層構造で、そのほとんどの主成分が「ケラチンタンパク質」です。
髪のダメージには、キューティクルが傷つく表面的なダメージから、薬品によって、コルテックスやメデュラといった深部まで影響を与えるダメージまで様々ですが、ダメージが起こる原因は、タンパク質同士の結合が壊れてしまう事です。
人の体は、自然治癒力により、骨が折れても、転んで擦りむいても、元の状態に修復する事ができますが、髪は自己修復ができない死活細胞なので、外的な治癒が必要になります。
一般的なトリートメントなどで、ツルツルサラサラな成分を付けても、ダメージを根治する事はできません。
しかし、ヘマチンには、壊れてしまったタンパク質結合を再形成させようとする性質があるため、ダメージを受けた髪を健康な状態に修復させる効果が期待できます。

酵素チロシナーゼを活性化

髪の色を決めているのは、「メラニン色素」という物質です。
毛根で作られた直後の髪にはメラニン色素が含まれていないため、生まれたての髪はすべて真っ白で、白い髪にメラニン色素が取り込まれる事で黒髪になります。
なので、メラニン色素を上手く作れないと、色が着かないままの「白髪」が生えてきます。
白髪の原因には、加齢や遺伝のほか、ストレス、食生活の乱れなども影響するといわれていますが、それは白髪が生える原因というより、メラニン色素を正常に作れなくなる原因という事です。
メラニン色素は「メラノサイト」という毛根部分で、毛細血管から栄養を取り込み作られています。
また、メラノサイトがメラニン色素を作るには「チロシナーゼ」という酵素の働きを必要とします。このチロシナーゼが減少したり、メラノサイトの機能が低下、またはメラノサイト自体が何らかの原因でなくなってしまうと、色が着かないままの髪が頭皮から生えてきます。これが白髪の正体です。
ヘマチンには、チロシナーゼという酵素を活性化させる効果認められており、新しく生えてくる髪の白髪予防に効果が期待できます。